第25章 リヴァイ班
さすがに私と言えど人類最強を相手に手を振り解くことは出来ない。
マジマジと見られ恐怖と羞耻で顔を背ける。
だが、私が誰と何をしようが兵長には関係ない。
…だって兵長にはレイラがいるんだから…
「…兵長には関係ありません…。
兵長だってレイラがいるじゃないですか…
レイラとここでキスをしてたじゃないですか…」
兵長がグッと押し黙った。
そして一頻り考えを巡らした後に、ハッとした顔をして、
「あの時の足音はお前だったのか…」
兵長はそう言うと、はぁ…とため息を吐き私の手を解放した。
「あれはアイツが勝手にしてきた。
女を殴る訳にもいかねぇからすぐに引き剥がしたがな。俺とアイツは何もねぇよ」
ーーーえ??
ーーーそうだったの??
ーーー私の勘違いだったのか?
私は、既に処理した筈の感情がフツフツと存在を主張しようとしてくるのを必死に押さえつけた。
何を今更…
団長とだって恋人という訳ではない…と思う。
好きだとは言われたが、団長は自分の夢やそれを叶える為の兵団の方が大事なのだ。それは団長自身も言っていた。
それを承知でお互い寄り添っている。
兵長がレイラと恋人同士で無かったとして、今更どの面下げて兵長を慕える?
「そう…だったんですか。それはとんだ失礼を致しました…でも…これは兵長には…」
「…関係ある。どうせお前の事だ、今聞いたって何も喋らんだろうがな」