第25章 リヴァイ班
その後、ペトラやエレン、グンタ・エルド・オルオに挨拶しにまわった。
「オレ!エマさんと一緒で嬉しいです!」
エレンが大きな目をキラキラさせながら、私に向かってそう言ってくれて、本当に嬉しくなる。
「ありがとう、頑張ろうね」
エレンは報告書によると、予想外な場面で巨人化してしまい兵長以外の班員から刃を向けられたとあったが、班の雰囲気には全く蟠りのようなものは無かった。
リヴァイ班は精鋭揃いな上に仲間意識も強い。其々が個性も実力も有りながら、纏まりのある班となっている。ここまでの兵士が揃う事は滅多にない。
夕食を済ませた後、兵長に言われていたように紅茶を入れて兵長の部屋を訪ねた。
「よう、久しぶりだな」
兵長は表情こそ変えないが、快く思ってもらってることは伝わってきた。
確かにすごく久しぶりだった。
調整日だから業務も無いので、約1ヶ月の間兵長と離れていて起こった事など(主にハンジさんの話)世間話だけ当たり障り無く話した。
話のキリの良いところで、食器を片付けようと屈んだ瞬間、兵長の表情が急に険しくなった。
目を見開き驚きつつも、しっかりと捉えている先に何があるか気づいた時には遅かった。
「おい…、お前それはどうした」
身体の角度を変え、私の鎖骨にある赤い印を隠すように食器を片付ける。
「…何のことですか?」
食器を纏めたところで、急にぐっと両手で私の両手首を掴まれ、万歳の状態にされる。
兵長の目は私の赤い印を鋭く見つめる。
「ほう…中々結構なモノを付けてるじゃねぇか。…誰にやられた」
「…やめてください。…兵長には関係ありません」