第24章 ●壁外調査前●
エレンの身柄が調査兵団へと渡された事の条件がある。
最終目標としてウォールマリア奪還、その事前準備としての今期の新兵も含めた壁外調査が既に三十日後と決まっていた。
あくまでエレンの身柄を調査兵団預かりにしているのは一時的な事で、今回の壁外調査の結果次第でエレンの今後も変わってしまう。
壁外調査の準備に日々の業務・訓練にと慌ただしい日が続いた。
リヴァイ兵長とレイラのキス現場を目撃して以来、兵長とは顔を合わせることは無かった。
兵舎と旧本部跡では距離も離れているし、勿論業務の手伝いも無かった。
団長のところへは今まで通り隔日で訪れ業務をこなした。
今まで通りで無くなったのは、業務が終わった後一緒に団長の自室に行き、団長に抱かれてそのまま朝を迎えるようになったことだ。
朝目覚めると一緒に自主訓練をするのが決まった流れになりつつあった。
忙しいにも関わらず、中々戻らなかった私の体重はすっかり元に戻り、体力・筋力共に以前よりも強くなった気がした。
壁外調査の前々日、元々団長のところへ行く日だったが、手伝いの前に話がある、と言われた。
声の感じからこれは団長としての話だ、と理解した。
「エマ、今回君はリヴァイ班に入ってもらう。
そして現場では全てリヴァイの指示に従ってもらう」
私は元々ハンジ班だったのだが、急遽リヴァイ班に加わる事となった。理由は教えてもらえないが、何かあるのだろう。そしてそれを私に説明しない事にもきっと意味があるのだろう。
「はい、了解しました」
「では明日の調整日にリヴァイ班と合流してくれ。
幹部には既に話はつけてある」
「はっ!」
と敬礼し、兵務の話はそこで終わった。
ここからは業務の手伝いはするがあくまで個人的な場なのである。
ガリガリと仕事をこなし、お茶を飲み団長の部屋へ向かう。