第24章 ●壁外調査前●
朝になり目が覚めると、団長が身支度をしていた。
「すまない、起こしたか」
「いえ、私こそすっかり眠ってしまって…すみません……あ、えっと…」
「おはよう」
「おはようございます」
二人の声が重なり、二人でふふっと笑い合う。
なんだかとても尊い時間のように感じた。
「団長は今から自主訓練ですか?」
「あぁ、いつもそうしている。なかなか日中に時間が取れないからな。だが君の顔を見ると行く気にならなくなってしまうな」
そう言うと団長はまた私の頰に手を添えて唇を重ねてきた。
「あの…でしたら…私もご一緒してはいけませんか?」
私の申し出が意外だったのか一瞬驚かれたが、すぐに嬉しそうに
「勿論構わない。じゃあ準備しなさい」
と言われた。
私も自分からこの申し出をしたのは意外だった。
私はずっと兵士として一人で居続けるつもりだったが、本来の私の性分は人に依存するのかもしれない。
自主訓練なら個人的な場であるし、団長と一緒にいてもきっと問題ないだろう。
まぁ、そもそも団長の方が余程思慮深い。
もし問題があるようならキッパリ断ってくるだろう。
そうして身支度をサッと済まし、二人で自主訓練をし、日々の業務・訓練へと別れた。