第17章 大海原へ
「えっ?!も、もももももちろん!!!」
「ふふっ。ありがと」
そう言うとトト子はさっさとベッドに入ってしまった。
「おそ松くん、寝ないの?」
「ひぇっ?!い、いいいい今行くよ」
おそ松もおずおずとベッドに入る。すぐそこにトト子の顔。
『眠れるわけ、ねぇじゃん!!……でも、夫婦になったら毎日これだよな…。それにしても…寝顔かっわいいー。守りたいな。いや、守らなきゃ!』
「お休み、………トト子」
いつしかおそ松も眠りについた。
次の日。みんなよく眠れたらしく、スッキリした顔で出てきた。カラ松たちはツヤツヤした顔をしていて、○○はカラ松にベッタリくっついている。
「……やりやがったな……」
「やっちゃったねぇ。ケツ毛燃えるわー」
「ボゥエ!」
「ふふーん。それは違うぞ、ブラザー。俺たちはただ一緒に寝ただけだ。まだ手は出してなーい」
「嘘つけ!!」
「嘘じゃないわ。ほんとは抱かれたかったけど、カラぴが私の姿をこの目で見たいって言うから、じゃあそれまではお預けってことになったの」
「それでそんなツヤツヤした顔になる?」
「幸せを感じていたからだろう」
「すっごく幸せだったもの」
一松はカラ松の肩をがっしり掴むと、前後に揺さぶった。
「ピュアか、お前ら!!ピュアすぎだろうが!神か?!逆に死ね!!」
宿を出ると、ペガサスがいた。
「こいつ、どうする?」
○○がペガサスを撫でる。
「お前の思うように生きなさい」
ペガサスは一度だけいなないて、空へ駆け上がった。そしてそのままどこかへ行ってしまった。
「俺たちも行こう」
「「おう!」」
港ではタイタンが待っていた。
「さあ、行くぞ。みんなこれに乗れ」
タイタンが差し出したコンテナのような箱に、おそ松たちは乗り込んだ。その箱を頭に掲げ、海へ入っていくタイタン。やがてクラーケンがいた辺りに差し掛かると、小さなクラーケンがいた。
「なあ、トト子ちゃん」
「なぁに、おそ松くん」
「クラーケンを蘇生出きるかな」
「やってみるわ」
トト子が蘇生魔法を唱えると、クラーケンは蘇生した。そのクラーケンに寄り添う子供のクラーケン。
「お前もその子を守っていたんだな。ごめんな?」
クラーケンは子供と共に、海の中に沈んだ。
「優しいのね」