第17章 大海原へ
「おおっ!これはすごいぞ!」
「おそ松は尻に敷かれるな」
「確かに結婚はするけど、いきなりそういうのは嫌!!」
「か……っ!!」
「か?」
「かわいいいいいい!!俺のトト子は最高だー!!」
「ふふっ。そうでしょー?!かわいいでしょーー?もっとほめて?!」
「かーーーーっ!!くぉのクソリーダー!!ケツ毛燃えるわ、ちくしょーーー!!死ねっ、死ねっ、死ねーーーー!!」
「クソ松、俺らに対する嫌がらせか?!当て付けか?!○すぞ!!」
「ふっ。俺の○○に石にされたくなければ、その手を離すんだな」
「………っ!!ちっ!!」
「とにかく今日は休んで、明日海に出るぞ」
「ああ、そうだな。戦いで疲れた体を休ませないとな」
それぞれの部屋で休むことにしたおそ松たち。だがおそ松は、眠れずにいた。
「……ごめんな、母さん。なかなかたどり着けないや…。無事でいるかな…。いてもらわないと困るけど…。絶対、絶対帰るから……!待っててくれよな!」
誰かがノックする音が聞こえた。
「はい、誰?」
「おそ松くん、私よ」
「トト子ちゃん!」
慌てて涙を拭い、ドアを開ける。
「ごめんね。なんだか眠れなくて」
「そ、そうなんだ?俺も眠れなくてさ。よかったら、話でもしない?」
「うん!」
おそ松に促され、中に入る。
「おそ松くんの心の叫びが聞こえたの。悲しそうだったわ。だからほっとけなくて」
「えっ?!俺、そんな大声出してた?!」
「ううん、そうじゃないの。どうしてかな、他の人のは聞こえないのに、おそ松くんの心の声は聞こえるの」
「そっか。トト子ちゃんには嘘はつけないってことか」
「不安?」
「んー。不安てか、いつになったら着けるかなって」
「ストーグロックって、頂上が見えないでしょ?あの上から神のドラゴンが、この世界を見下ろしてるの。ずっと、動かずにね」
「えっ?動かないのか?頂上から?」
「動かないって言うよりは、動けないのよ。この世界を見守らないといけないから」
「………それって、辛いだろうな。一種の呪縛じゃん。……そっか。神は神で、そういう定めなんだな」
おそ松は何かを決心した顔をした。
「ありがとう、トト子ちゃん。おかげで眠れそうだよ」
「よかった」
「お休み、部屋に戻りなよ」
「一緒にいても、いい?」