第18章 白銀 ※ ―ユキside―
「隣だってヤリたい盛りの若いカップルかもしんねぇじゃん?そしたら向こうの声も聞こえてくる。聞こえてこねぇってことは、今は無人だ」
「えー…。でもお年寄りのお客さんかもよ?」
「爺ちゃん婆ちゃんなら耳もそれなりに遠いだろ。ハイ解決」
「何か違う気がするっ…」
「違くない。そんなに気が逸れるなら他も可愛がってやるよ。思う存分、エッチな気分に浸れるようにな」
「…っ!や…」
有無を言わせず、腹を伝って更に下、秘部に手を伸ばす。
湯に混じって潤滑の役割が乏しくなっているかと思いきや、すんなりと俺の指はその場所に呑み込まれた。
内壁に沿って優しく出し入れするたび、舞は腰を捩らせて快感に耐えている。
理性が勝っている頭とは裏腹に、体は正直らしい。
指を引き抜き陰核を擦った途端、俺にしがみついてくる腕にグッと力が入った。
「やぁっ、んはぁっ、んんっ…!」
図らずも耳元に舞の唇が当たり、吐息がダイレクトに送られてくる。
これはこれで俺の方もヤバイ。
「はっ…、すっげ、エロっ…」
「ユキくっ、だめっ、も、我慢できな…!」
まるで、舞の快感が俺の脳髄にも行き渡っていくようだ。
苦しそうにしていたため息が、遂に高い声になって宙を彷徨った。
しかし、それも一瞬のこと。
「んんっ…!」
「…っ!?ちょ、舞!?」
喘ぎが大きくなった次の瞬間、舞は俺の首筋に吸い付いた。
声を漏らすことなくピクピク震え、次第に波が引いたみたいに静かになる。
体が絶頂を超えた証だろう。
舞はそこでようやく、俺の首から唇を浮かせた。
「はぁっ…。やっぱり他の人に声聞かれるの、嫌だもん」
拗ねた目つきで、そう訴えてくる。
欲に揉まれながらも、どうやらそこは譲れなかったらしい。
まあそれはいい。
慎ましさだとか、淑やかさだとか、そういうところを合わせ持つのも舞らしいし、俺が好きになった部分でもある。
ただし、だ。
「なあ、もしかして。首、キスマーク付いてね…?」
「え?」