第18章 白銀 ※ ―ユキside―
一瞬キョトンとした表情をしたかと思えば、慌てて俺の首筋に目をやる。
「あっ…!付いてる!」
「やっぱりか…」
「すごい!初めてキスマーク付けられた!」
喜んでるし!
や、気持ちはわかるけども!
どうせ付けるなら、胸とか背中とか服で隠れるとこにしてくんねぇと!
「どうすんだぁ?この場所じゃ丸見えだぞ」
「あ…!そうだよね…ごめんなさい…」
舞の顔はシュンとなる。
「まあ、しばらくハイネックの服着て過ごせば、問題ねぇだろ」
「ごめんね…」
「いいって。舞の痕が付いてるの、何か嬉しいし。それより、熱くね?一旦上がるか」
「え、ユキくんは…?」
「何?」
「だって…、私しか…」
言わんとすることがわかる。
自分だけ果ててしまったことを気にする舞がいじらしくて、抱きしめながら頬や唇に沢山キスを落とす。
「気持ちよかった?」
「うん…」
「舞が気持ちよさそうにしてるところを見るのが好きだから、俺はいいの」
「……」
「それに俺、好物は最後まで取っておくタイプなんだよ。お楽しみは飯の後でな」
「でもえっと…、そのままで、大丈夫…?」
舞にそれを指摘される。
遠慮がちな視線がチラリと "ソコ" を通過して、俺を見た。
確かに最近では一番と言ってもいいくらい、固く勃ち上がっているのだ。
舞が見て見ぬふりもできないくらいに。
「だいじょーぶ」
「……私に、気持ちよくできるかな?」
「え?」
湯から上がろうとした俺の肩を制し、浴槽の外縁に座らされる。
舞は膝を着いて股間に顔を埋め、熱の宿る部位を控えめに舐めた。
「なっ…、舞!?」
「……ダメ?」
「ダメじゃないけど…」
「だって、ユキくんにも気持ちよくなって欲しいし。それに受け身ばっかりでいたら、いつか私に飽きちゃうかもしれないでしょ…?」
不安げにそんなことを言い出す舞に、ピンとくる。
「舞が自分でそう思ったのか?」
「……」
予感的中だ。
「誰に言われた?」
「……なっちゃん」
誰だよ、なっちゃん?
あ、舞と一緒に合コンに来てた、ちょっと派手な感じの子だったか…?