第2章 ◆ホワイトデー 皇天馬
「ちょ、てんまく…ッ」
「…なんだよ」
「こ、ここ外だよ…?」
「関係ねぇだろ」
「大アリですけど!!?」
「誰も気にしねぇよ」
「や、ちょ……!」
徐々に近付いてくる距離に、絆されそうになった、その時
「あー!兄ちゃんと姉ちゃんがエロいことしてるー!!」
近くで遊んでいたらしい少年のその声にハッと我に返る。
慌てて天馬くんを突き放す。
「し、してないからね!!?」
「?そうなの?」
「そ、そうそう。あ、ほら、お友達が向こうで待ってるよ、早く行ってあげよ」
「ふぅん……、女の子に無理強いすると嫌われるって父ちゃん言ってたからな!!兄ちゃん気をつけろよ!!」
そんなアドバイス(?)を言い捨てて、少年はお友達の方へと走っていった。
……名も顔も知らぬ少年父よ、貴方はあんな幼気な子供になにを教えてるんですか…
「…チっ」
少年のお父さんに内心ツッコミを入れていると、天馬くんの不機嫌そうな舌打ちが聞こえてきた。
「あのガキ……ちょうどいい所で邪魔しやがって…」
「邪魔しやがってじゃないでしょ!!
そ、外でこんなことするのはだめ絶対!!」