第2章 ◆ホワイトデー 皇天馬
「ありがとう、天馬くん。お陰でいいお返しが買えたよ〜」
「そりゃよかったな」
「ふふ。……ね、ちょっとここで話そうか」
デパートから少し離れた位置にある公園を見付け、そこに天馬くんを誘う。
大勢の中を練り歩いて疲れていたのか、すんなり了承してくれた。
休日が重なっている事もあり、公園は多くの子連れで賑わっていた。
その中の空いているベンチの一つに2人並んで座る。
「……んで?話ってなんだ」
「…。天馬くんと別れようと、思ってて」
「………は…?な、んで…。この前の報道が原因か?それなら監督は許して…」
「……許すとは、言ってないよ。
あの時は、あのまま話したとしても、私が冷静に話せそうになかったから、切り上げただけ」
私の言葉に、傷付いた様に顔を歪ませる。
信じていた相手に、裏切られた顔だった。
……私が、天馬くんにされたことと、私が彼にしたこと。
何の違いもないなと、自嘲気味な笑みを浮かべ続ける私に、天馬くんは縋るように、肩を掴んできた。