第24章 昔の記憶
…
私は日本で生まれた。普通の女の子。
普通ではなかった…
母も父も生まれた頃にはいなかった。祖父が言うには自ら命を絶ったそうだ。真相はわからない。教えてくれなかった。
でも祖父は愛情を注いで育ててくれていた。確か、団長と話している人と似ていたような…
だけど祖父は毎日私の面倒を見てくれていた。生まれてから今まで育ててきてくれたから何不自由なく過ごすことができていた…訳でも無かったような…
私は人とは違う人種だったそうで皆んなからはあまり良く思われていなかった。体型も脳の作りも人間と変わらないのに。
私は悪魔の子だと言われていた。なぜこれほど嫌われているのかわからなかった。
「ユミルは私たちの悪魔だ!」とよく罵声を浴びせられていた。私はユミルなのかよくわからない、そもそもユミルが何かわからなかった。ユミルについて聞くと誰もが避けていく。
そんな時でも優しくしてくれた友達がいた。
それは、アニやライナー、ベルトルトだ…
この3人はどうやら私と人種が似ているらしい…でも彼らは嫌われていなかった。
私自身の性格の問題もあったのかもしれない。
あと…誰だっけ、
エレン…そうだっけ、でもエレンは…エレンはパラディ島の人じゃなかったっけ…
……
まだ記憶が曖昧だ。でも思い出せたことで何か進展があるかもしれない。…しかし、記憶が戻ったことを報告したほうが良いのか。
内容を伝えてしまうと私はまた差別されてしまうだろうな。
団長だから私の事を知れば殺すかもしれない…悪魔の子なら殺された方が良いのかもしれない。
あぁ、そうだ、私はなんで生きているのだろうなぁ、邪魔は排除しないとめんどくさいもんね。
私の人生もここで終わりが来るのか…団長に殺されるのなら本望だわ。
伝えない選択をした場合はどうなるのかしら…
収穫が無いから無意味な旅だったという結果になる。
それなら兵団に帰った時に罵声を浴びせられるだろうな…経費で旅に来てる訳だからお偉いさんに怒られてしまうかもしれない。
団長と兵長の信頼度を下げてしまうのは申し訳ないな…正直に言おう…言うしかない。
しかし、なぜ記憶が蘇ったのだろうか…何か変なことが起きたっけ?
わからないけど…何かが接触した時に記憶が戻るのだろう。フラッシュバックのような…