第23章 息抜き*
「そ、そそそそんな事を兵長が?
い、息抜きとはな、何でしょうか…子供でよくわかんないです。ははは」
私はそう言うと離れようとする。
しかし、離れようとすると抱きしめられる力が強くなっていく。
「おにょ、教えてあげようか…蹴らないならそれは同意してる事になるぞ?」
そう言うと耳を甘噛みされる。
!?
「な!い、嫌じゃないですけど、そそその、経験が無くて何をすればいいのかわかんなくなっちゃいます。」
「男の息抜きはこういう事だ。女性は息抜きにどうするのかわからないが…。まぁ経験も必要だ。今日は許してくれ。」
そう言うと私を軽々と持ち上げてベットに座らせる。
そしてエルヴィンは私の目の前に立ち、自分の服を捲り上げて筋肉を顕にする。
「だ、団長っ、み、見れませんっ!」
エルヴィンの服が乱れていく。その姿を見ると私の身体は火照っていく。
「そうか?しかし、身体は正直だろうな」
そう言うとエルヴィンは私の身体に触れる。
触れられた瞬間身体を硬直させる。
「ひゃっ、んぅ」
顔を逸らす。こんな大柄な男性に迫られて耐えられる人は居るのだろうか。いるわけ無い。
そのままベットに押し倒される。軽々と身体が動いてしまう。
身体全身が温かい。
「これが最後の警告だ。嫌なら蹴り飛ばしなさい。」
私に覆いかぶさるとエルヴィンはそう言って首に口づけをする。
「んっ、ぁ」
私の上にはエルヴィンがいる。
金色の髪の毛の中から見える蒼色の瞳がこちらを見つめている。
いつもと違う団長の顔をしていた。
私には儚い顔をしているように見えた。
「団長、私にも経験させてくださいっ。」
私はエルヴィンを見つめながらそう伝えると自身の服を全て剥ぐ。
「あぁ、キミは俺を欲情させるのが上手いな。」
エルヴィンは私の腰に手を置くとゆっくり唇に触れる。
私の身体全身に電流が流れる。
…
「あぁ、こんなの最悪だよ…。」
…
キスをした瞬間、私は涙を流してしまった。
エルヴィンは「すまない、やりすぎたようだ。私は夕食を取りに行くから部屋から出ていきなさい。」
そう言って私に布団をかけて外へ出て行った。
…違うの、もっと欲しかったのに。
キスをした瞬間に走馬燈のように記憶が頭の中を巡ってきてのだ。
昔の記憶が蘇ってしまった。こんな時に。最悪だ。