第24章 昔の記憶
団長と一緒にいた時に記憶が戻ったのだろうか…
すると、祖父が話し始めた。
「そうか、それはお前がわかるようになるといい。」
そう言うと私の頭を力強く掴んで撫でた。
「お前は愛されることを知れば大丈夫だ。ただそれだけだよ。
エルヴィンさん、おにょを頼みます。あなたがカギになる。毎回あなたに負荷をかけて申し訳ないと思っている。この世の中を変えられるのはエルヴィン、あなたしかいないだろう。
そしてリヴァイさん、ここまでおにょの護衛をしてくれてありがとう。この子を立派に育ててくれて本当に感謝している。二人ともありがとう…私はなんとお礼をしたらいいかわからない…」
そういうと頭を深々と下げる。
「この子に愛を教えてほしい。…私はこの辺で行かねばならん。」
そう言うと私を抱きしめた。
「大丈夫だ、エルヴィンさんやリヴァイさんがお前を守ってくれる。ゆっくりでいいから幸せになりなさい。」
きつく抱きしめられる。祖父の心地いい心臓の音が聞こえてくる。
私には守ってくれる人がいる。リスクがあっても私のことを優先に考えてくる。私自身がカギなのだろう。
「あぁ、私は何としても守り抜きます。おにょのことは任せてください。」
エルヴィンがそう言うと祖父は部屋を出ていった。
「え、おじさん…どこ行くの?」
私が声をかけたときにはもう祖父は部屋を出ていった。せっかく会えたのに。
疑問に思いながら私はドアを見つめる。
…
愛される。
それは彼女が記憶を戻す手段であり方法である。
…