第24章 昔の記憶
私は自室に戻って夕食を取ることにした。
(今日はミーティング無いから明日か…明日は話す時はあるのかな…会うのもちょっと気まずい。)
そんなことを思いながら廊下を歩いていく。
「夕食か、トラブルになるのは困るから部屋で食べようかな。」
自室に戻ってパジャマに着替える。机に腰掛けると、頼んでいた夕食が運ばれてきた。スーツ姿の男性だった。
「おにょ様のお部屋でしょうか。お料理を運ばせていただきました。どうぞお召し上がりください。」
笑顔でご飯を運んでくれた。
「ありがとうございます。美味しくいただきます。」
会釈をすると帰っていった。
「…すごい美味しそう。何これ…焼いたお魚にホカホカのご飯、お味噌汁にもお魚が入っているわね…」
窓の外の景色を見ると海が広がっている。
「魚は海で取れるものよね。壁がないからこんな料理も食べることができる。壁内だと主食が芋が多かったかしら…今日は記憶が戻ったご褒美としてご馳走を頂こうかしら。」
腹が減っては戦はできぬ。
美味しいものを出されたら食べなければ。(食に感謝、いただきます。)
「人間って美味しいのかな…巨人の主食は人間?よくわからないなぁ。壁内に戻ったら巨人の研究も進めていこうか…」
一口ずつゆっくり食べすすめていく。美味しくて箸が止まらなくなる。途中でむせてしまう。
「この町の人たちはいつもこんな美味しい料理を食べているのかな…羨ましいなぁ。」
私が子供の頃はこんな豪華な料理は一度も食べたことがなかった。故郷なのに…記憶が戻ったのも一部である。
…
食事を終えると入浴をして就寝時間になる。
ラインで点呼と状況報告をする。
「団長…ちょっと気まずいな、はぁ、どんな顔して会えばいいのだろうか…」
記憶のことは自分の口で伝えよう。
私は布団に潜って眠りについた。
…
朝日を浴びると目を覚ます。
んん、よく寝た。二度寝したい。なんなら記憶が戻っていない時に戻りたかった。
歯を磨いて朝食をとる。