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私の初恋の人~その1~

第20章 朝


私が疑問に思っていると、エルヴィンが突然私を抱き上げた。


お姫様抱っこをした。

「!?だ、団長!どうしたんですか?」(なになになに?ここは公共の場ですよ!?)

周りからの視線も刺さる。

「今から外に行くが、おにょは靴を履いていないだろう?これから外に行く。素足では怪我をしてしまう。」と耳元で言う。

「…ぁりがとうございます…///」ドキドキしてしまう。

軽々と持ち上げられた。今度はリヴァイとはまた違ったエルヴィンの色気のある匂いが漂ってくる。外はとても寒いが密着している部分は温かい。
胸元はガッチリしている。筋肉のムダがない。…とにかく顔が近い。鼓動が早くなっていく。エルヴィンの鼓動も聞こえてくる。私の鼓動を落ち着かせてくれるようなゆったりとした音色だ。トクントクン……。

外に出ると、エルヴィンが私をリヴァイと同じような乗り物に乗らせた。
「この車で今日は回ることになる。」と言う。そして、私の方のドアを閉めると、隣のドアを開けて今度はエルヴィンが入ってきた。

そして、席の前に座っている運転手とやらに
「今日は世話になる。プランは言ったとおりに回ってくれ。よろしく。」というと、
「わかりました。よろしくお願いします。」と前から返事が返ってきた。(男の人かな?優しそう。)
「あ、お願いします!…団長、ありがとうございました。車っていうんですね。よろしくお願いします。兵長がどこに行ったのかわからなくて焦りました…ふふっ」

私は車という存在を初めて知った。

車内は少し暗めだ。外からは中が見えない仕組みになっているそうだ。
「あぁ、壁内では馬車が主流だからな。この車は乗り心地もいい。寝寝てしまいそうだよ。」エルヴィンはそう言うと急に私の髪の毛を撫でた。

そして、「おにょ、今は俺と二人きりだ。…デートしているようだな。」と耳元でつぶやく。

距離が近い。この仕草はエルヴィンが手慣れているからできるものなのか…それとも私を口説くために。(…後者はないよね。)

薄暗く、エルヴィンの顔もはっきりわからないから普段に増してドキドキしてしまう。リヴァイもいない。二人きりであるから。
「…楽しみです。」私は顔が暗くて見えないだろうと思い、エルヴィンに笑顔を見せた。
そこから会話は特になかった。だが、その沈黙が心地よかった。
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