第20章 朝
しかし、この姿をみたエルヴィンがにやりと笑った。
「フッ…おにょ、喉が乾いているのか?紅茶でも飲みなさい。」と、エルヴィンが紅茶を差し出してくれた。
「…んん!」ペコリとお辞儀をしながら紅茶をもらう。
(いいんですか!?紅茶!すいません!団長!!いただきますぅ!)
ゴクゴクゴクプファ
…
(…ちょっと苦いかな?私はいつも飲むとき砂糖いっぱい入れてるからなぁ。でも、ここでは苦味のある紅茶が流行っているのかな?)
「紅茶ありがとうございます。ちょっと私にはまだはやいのかな?少し苦かったです。」と苦笑いしながら言う。
「私みたいな子供にはまだ早いかもっ」すると、エルヴィンは「苦かったか。俺は紅茶はいつも砂糖なしで飲んでいたからつい…」
「おい、早く食え。」とリヴァイがエルヴィンの話を遮るように私に言った。
眉間にシワが寄っている…。
「…はい。」
私は急いで食べる。
…
十分ほどで食べ終わった。(…ふぅ。美味しかった!…なんか食べ終わるまでちょっと兵長に見られてた気がするんだけど、顔に何かついてたかな?…あとで鏡見ればいいか!)
「おまたせしました!ご馳走さま!」と二人に申し訳なさそうに言う。
すると、エルヴィンは
「いや、おにょの食べている姿を見ると気持ちがいい。」と微笑みながら私に言ってくた。
そして、「俺はトイレに行くからリヴァイと先に部屋に戻って支度をしていなさい。」と言って椅子から立ち上がった。
エルヴィンはリヴァイの肩をポンっと叩くと出ていった。
エルヴィンが行くとリヴァイが
「…おい、行くぞ。」
そう言って席を立ち上がって部屋に向かっていく。
「はい!」私もリヴァイの後を行く。
部屋まで二人はエレベーターに乗っていく。
(…)
エレベーターでは二人きりだ。
(というか、兵長と二人きりじゃないか!?間近で見ると横顔がすごくキレイだなぁ…。髪の毛もサラサラ…私よりも艶がある。羨ましいです)
そんなことを一人で考えていると
「…フッ。よくエルヴィンの紅茶が飲めたな。(嫌いな奴の飲み物を飲めるとは大したやつだ。ましてや間接キスだぞ…)」とリヴァイが私に言う。
「…ぅえ?団長の紅茶だったんですか!?」
私は驚いた。食べることに夢中で周りをよく見ていなかった。