第20章 朝
私は彼女の話を適当に聞き流しながら調べていく。
(ここに繋がるのは…確かに兵団だ。いつから追われている…。おにょのことを知っているやつか?記憶を失う前からの知り合いか?それとも、記憶を失ったことを知って…。いや、ただのメンヘラストーカークソ野郎かもしれない。それはそれで危険だ…。)
考えてしまうときりがない。疑問ばかり思い浮かんでくる。
(だが、犯人を見つけ出せればいい。)私はそう思った。
やっと犯人を特定できた。この盗聴物の持ち主はー。
…
私は犯人を特定できて安堵した。
(…まさか、兵団がこんなことをするとは…。裏切り者が。犯罪行為は許されるものではない。しかし、やつをどう処罰すればいいものか…。しかし、おにょのことを知っているかもしれない。聞き出してから殺すか…。)私はそう思った。
「…あら、調べものは終わったのかしら?あたし、爽やかな笑顔にキュンキュンしちゃうわぁ!」と声が聞こえてくる。
(やはり俺のタイプではない。)
「あぁ、終わった。待たせてすまない。プレゼントなんだが、この靴を君にあげようと思って。少し汚れてしまっているが…。そこは申し訳ない。」私はそう言うと彼女に靴を渡した。
すると
「えぇ!?いいのぉ〜?すっごい嬉しいわぁ…ありがとう!初対面なのに!!こんなの初めてよ…。」
とすごく喜んでくれた。声はオカマだ。語尾がとても気になる。
「喜んでくれてよかった。それじゃあ私はここで…」
そう言うと、ミケ子は私の腕を引っ張った。
「えぇー、いやよぉ…ミケ子もっといたいよぉ!っていうか、私に靴なんかくれるから誘ってるよねぇ?」と食いついてくる。
だから私は彼女の姿をよく見た。
オカマと言ってもスネ毛は生えている。腕毛も剛毛だ。私より濃いではないか…。男の特有の匂いもある。体型は私と同じくらいムキムキだ。私よりあるかもしれない。…下半身もモッコリしている。どこかで見たことがある面影のようだ。
(…はぁ、幻滅だよ。)私は内心そう思うが笑顔を振る舞う。
「すまない、生憎君は私のタイプではないんだ。だが、この靴は君にしか似合わないと思ったんだよ。」
そう言いながら掴まれていた手を掴んで机に置く。
そして彼女に靴を渡す。照れているのか顔が赤い。
「お店のの雰囲気はとても私好みだ。ありがとう。」