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私の初恋の人~その1~

第20章 朝






チュンチュン


眩しい太陽の光が部屋を明るくする。

時刻は何時だろう。しかし、何だろう…この心地の良い吐息に鼓動は…あたたかい。目を開けずに起きてしまったがまた眠気が襲ってきた。
(いやいや、ここで寝てしまうのはよくない。でもまだ時間あるかな〜…)そう思いながら私は寝返りをした。左を向くと、そこにはエルヴィンがすやすや眠っているではないか。
私は驚いて
「ヒャッ⁉」
と変な声を出してしまった。

するとエルヴィンは閉じていた瞳を開いた。長い金色のまつげから綺麗な青色に輝く瞳が陽の光に反射して美しく輝いていた。

「…おにょか、おはよう。よく眠れたか?」とそう言いながら私を見た。

どういう状況だ…これは。

「…おはようございます。私は団長と夜を共にしたのでしょうか?」と私は恐る恐る聞いた。
エルヴィンは私の発言を聞いて吹き出した。

「ハハッ。そうだな、夜を共にしたと言えばそうなる。しかし、俺が帰ってくる時間が遅くて寝てしまっていたようでね。遅くなってすまない。メールでも伝えておけばよかったよ。」とエルヴィンは少し反省したような顔をした。

そうだ、昨夜は団長が抜け出して何処かへ行ったときに私が寝てしまったのか。いや、兵長が寝てもいいと許可をくれたんだ。

「…いえ!大丈夫です。びっくりしました…ハハッ」私は苦笑いでエルヴィンにそう言った。

そりゃそうだ。兵士と団長である。いかがわしいことなんてあるわけない。ましてやそんな展開になるわけない。そう思いながら私が起きようとした。すると、エルヴィンが私に覆いかぶさるような体制になった。そして私の右肩をたたいて私を押し倒した。私はびっくりして顔を上げると真上にエルヴィンの顔があった。
そして、低い声で
「どんな展開待ってた…?」と私の耳元で呟いた。

近い。団長の髪の毛が私の頬にあたっている。

私の鼓動はとても速くなっている。何も話せない…口から言葉が出てこない。黙っているとエルヴィンは微笑みながらベットから起き上がった。そして、私に

「…おにょ、昨日履いていた靴が壊れていたよ。今からその靴を買いに行ってくる。だからそのまま部屋で待っていなさい。」と言った。そして、別の部屋で支度をしてこの部屋を出ていった。




「……ありがとうございます。」




これは夢なのか‥?
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