第15章 料理
するとエルヴィンはフォークに赤い粒が固まっている個体を乗せて
「はい、あーん。」
と、私の口元に持ってきた。
…(えっと、これってこれってこれって…どうしよう。せっかく頂くんだしここで食べなきゃ空気の読めない奴って思われるよね!)
そう思い、私は差し出された赤い実をパクッと食べた。
「美味しいか?」とエルヴィンに尋ねられた。
「お、お、お手洗いに行ってきます!」と、私はガタッと席を立って慌てて外へ出ていった。
リヴァイはその言葉にびっくりして顔を上げた。
「…便所は後ろにあるだろうが…。顔が赤いが…漏らしたんじゃねぇのか?」
「口に合わなかったんだろう…。それともー…」
エルヴィンは少し微笑んだ。
それを見たリヴァイは
「…お前…何を笑ってやがる。気持ちの悪いやつめ…」
と言う。
エルヴィンは
「…昔からそう言われたよ。」
そう言った。
…
私は急いで外へ出る。
(…はぁ、はぁ、…まずは歩きながら頭の中を整理しよう。
私は団長の食事風景に見とれていたんだ。
それに気づいた団長がフォークにのっているおかずを食べ終え、そしてそのフォークに赤い実を乗せて私に差し出してくれた。
それを私が食べた。
………………!?か、か、か、か、関節キ…ス…/////
な、なんてことしてしまったんだろう…。そして、私の顔を覗き込んで団長が「美味しいか?」と聞き、私は「お手洗いに行ってきます!」と言って出てきた訳か…。
…なんで私は美味しいかと聞かれてお手洗い!って言ってしまったんだ!?私は馬鹿か?普通に美味しかったと言えばいいものを…
もう団長の顔を見れないよ…はぁ、で、トイレは何処だろう…?)
私は1人で反省会をしながらとぼとぼ歩いていると
「…ちょっと、ちょっと!ねぇ!あなたってば!」と、肩を叩きながら横から私の顔を見てきた。
「…は、はぁ…?」(…なんか見たことあるような。)
「あなただって!あの、イケメンな外国人2人と歩いていたでしょ?」と、女性に聞かれた。
(…あぁ、街を歩いていたら私の事を白い目で見てたあなたね。思い出したわ…)
「…はい。そうですけど…」
私は一気にテンションが下がった。