第7章 聖なる夜の恋人たちは。【聖夜企画】
「聖夜のお祝いをするんだろう?
……これじゃあ足りないかい?」
そう云って治はワゴンを押してくる。
ワゴンの上には豪勢なケーキや料理が並んでいた。
「森さんが余計な事をしてね。私の遠征を入れたくせに直ぐに終わったのだよ。
それで戻って来たら買い物に付き合わされてね。森さんが出来心で君に状況が悪いとか連絡するから…申し訳ないね。」
ぐちぐちと文句を云っているが、頬は緩んでいる。
『ありがとう、治。
私…今までで一番幸せな聖夜を過ごせてるよ…』
奏音の目から溢れる泪は留まることを知らないかの様に流れ続けていた。
「全く君は………」
軽い溜息を付き乍、
治は奏音の泪をぺろりと舐めた。
『…ひゃぁっ!』
「驚いて泪止まった?」
『と、止まった………』
「じゃあ…お祝い、しようか。」
穏やかな笑顔を向ける太宰からは幸せな雰囲気が醸し出されていた。
◇◇◇◇
ご飯も食べ終え、奏音はソファですやすやと寝息を立てていた。
「……君はこんな無防備な…」
そう云い乍太宰は彼女の髪を梳く。
軽い口付けを奏音の髪に落とすと、止まらなくなる。
「あぁ、私は自分の理性が保てない様だよ…」
独り呟いて太宰は彼女の全身に口付けを落とし始めた。
「……流石に寝てる間にしたら怒られるかな…」
ふと太宰の頭に不安が浮かぶ。
そして耳元で
「今から、良いかい?君を見てたら……」
『仕方ないなぁ…少し、ならね?』
そう云って奏音は目を開けた。
「………起きていたのかい?」
『治が私の耳に接吻した時に起きた。
耳音であんな音したら起きるよ…っ』
奏音の顔は真っ赤に染まっていた。
「手加減しないからね。」
太宰はむくれ乍呟いた。
◇◇◇◇
『………ンッ………アッ……』
奏音の口から、艶やかな吐息が漏れる。
吐息と共にぴちゃぴちゃと水音も響いて、妖艶な雰囲気が漂う。
「…ねぇ、もう蕩けてるよ、?
触って欲しいかい?」
太宰は意地悪な声で尋ねる。
『……さわ、っ、て、?』
奏音も快楽には敵わない様で、恥じらい乍もお強請りをする。