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鏡薔薇【文豪ストレイドッグス】

第5章 追憶と過去




「早速奏音ちゃんの話を始めるね。

ボスから由良って呼ばれたと思うんだけど、
それ、ボスの娘の名前ね。

まぁ驚く事に、奏音ちゃんと由良ちゃん、瓜二つなんだよ。」

そして有島は一枚の写真を取り出す。

写真では、奏音と歳の変わらなさそうな少女が笑っていた。


『ほ、ほんとだ……私にそっくり…。』

業に至っては言葉を失っている。


「だから、ボスはずっと由良って呼ぶと思うよ。

云うなれば、君は死にかけの由良ちゃんの身代わり?かな。
完全な身代わりになる為に、異能も移したんだ。」

業は何処か合点のいった顔をしていた。


「だからこの位の年齢の子供を沢山集めていたんですね?」

「そう。物分り良いじゃん。

で、残った子供の中で有力な者は此処で訓練を受けて、組織入りになるかな。」


『ゆ、有力じゃないと見なされたらどうなるんですか、?』

「…売り飛ばされるか………」

そこ迄云って有島は目を閉じた。
この先の言葉は安易に想像がついた。


『そんなっ…』

奏音は静かに泪を零す。


「唯、組織の人間に気に入られれば、業くんみたいに生き残れるよ〜?」

『えっ…!ケ、ケイさんはお気に入り、見つけたんですか?』

「否、おいらお気に入り要らないもん。」


「あ…飛ばされた子のNo.なら僕は解るよ。」

そう云って有島は分厚いファイルを持ってきた。


そして奏音と業は目を皿の様にしてファイルの頁を捲ってゆく。

「………嘘、だろ。」

『…………ッ…』

とある頁を捲った途端、二人は言葉を失い、手を止めた。



その頁にはこう記されていた。





No.1925 柚音


年齢→五歳
処置→飛ばし。
原因→足に異常。身体検査時に発覚。





以上。

筆記者:No.150




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