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鏡薔薇【文豪ストレイドッグス】

第5章 追憶と過去







「…奏音ちゃんか業くんの妹さんかい?」

ケイが少し声のトーンを落とし気味で問う。


『わ、私の妹、です。
こ、これって、殺された訳では無いんですよね、?』

奏音は縋るような眼差しを二人に向ける。




せめてもの願いだった。
無事に生きていて欲しい、と。





「うん。そうだよ。
あ、でも確かこの子……
…否、確証が無いから云うのは辞めておこう。」

そう云って有島はファイルを元の場所へ戻しに行った。



「あの、ケイさん。」

「ん〜どうしたの?」


「有島さんって、どんな人なんですか?」

業は拳を握り締めて聞く。




────その手は恐怖で震えていた。



「有島くんは、お偉いさんだよ。
心優しいお偉いさん。オオカミみたいなお偉いさん。」

ケイの説明では優しいのか優しくないのかが解らず困惑する二人。


「まぁ…直に解るよ。おいらも優しいオオカミさんだからね。」

そう云ってケイは不敵な笑みを浮かべた。



有島が三人の元へ戻って来ると、微妙な空気が流れていた。


「…何話したの。」

有島はケイを見詰めてそう問う。


「おいらたちが狼だって。」

「……あぁ、その話…
余り無闇矢鱈としないでね。」


「あ、あの!狼って、悪い奴らの敵、って事ですか?」

業は勇気を振り絞って聞く。




すると、有島とケイは目を丸くして……




「「それは秘密。」」


と口を揃えて云った。


その時の二人の笑顔はまやかしの様であった───。










◇◆◇◆◇◆◇◆◇

《お詫び》

この章の頁を少し削除させて頂きました。
削除する前にお読み頂いた方に、
この場をお借りしてお詫び申し上げます…


再びそのシーンが登場するかは不明ですが、
組み込めたら組み込んでいきたいと思います。


今後とも鏡薔薇をよろしくお願いします。


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