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鏡薔薇【文豪ストレイドッグス】

第5章 追憶と過去





「…え、奏音?!何で…っ!
あの!有島さんっ!これって!」

業は急に饒舌になって問い詰める。


「ん?君のオトモダチの奏音ちゃんだよ?」

「ほぇ〜この子、奏音ちゃんって云うんだ。No.しか聞かされて無いから解らなかったや」

そう云ってケイは笑う。


「彼は業くん。僕が気に入ったから一緒に居ることにしたの。」

有島はニコニコし乍業の頭を撫でる。


「ほぇ〜、有島くんに気に入られるなんて良いねぇ。これで君も安泰だよ〜」

「安泰、?どう云う事ですか?」

言葉の意味が解らず業は聞き返す。


「ん?そのままの意味だよ?殺されないって事。
今回は何人生き残るんだろうねぇ…」

ケイはそう云って宙を仰ぐ。


「……ねぇ。そろそろ奏音ちゃん、起きない?」

「起きると思う!結構この子、すんなり受け入れてくれたんだよ。」

嬉々とした表情でそう告げたケイ。

その様子を見て、業は冷や汗が止まらない。





『………こ、こ、は…』

喉に水分が殆ど無く、掠れた声で奏音が呟く。


「ん、おはよう。お水ね、どうぞ〜」

ケイが水を渡すと、口渇していた様でごくごくと飲み干す。



「…奏音、?大丈夫、なのか?」

業は覚束無い足取りで奏音の寝台の傍まで歩いていく。


『…?!業くん!
うん、大丈夫だよ。』

奏音は見知った人が居ることに安堵する。



「奏音ちゃん。僕は有島。これからよろしくね。」

有島が二人の空間を裂く様に自己紹介をする。


『あ…私の名前、知ってたんですね。
はい。こちらこそよろしくお願いします。』

そう云って奏音は頭を下げた。



「あのね〜おいらまだ奏音ちゃんに話さなきゃいけないことがあるのさ。」

ケイは両手を腰に当てて不貞腐れる。


『あ、お願いします。』

「うん。取り敢えず、君はこれからNo.1707って呼ばれると思うよ。あー若しくは……否、呼ばれたらその時に説明するね。


んで、君は今から異能力者です。」

衝撃的な言葉に奏音と業は目を見開く。


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