第4章 微睡みから醒めて
『良い子だね。今から私の仲間のお兄さんの所に行こうね。』
女の子の頭を撫で乍、奏音は異能力を発動し、中也の元へ女の子を転送する。
『さてと、お兄さん。
正々堂々とキリを付けようか。』
そう云って奏音は口角をニヤリと上げた。
───数分後。
『…殲滅完了。今から其方へ向かいます。』
無線に向かってそう告げて、奏音はその場を立ち去った。
◆◆◆◆
二人の青年がモニターを覗き込む。
「へぇ?奏音やるじゃん。」
「ですね。……有島さん?何やってるんですか?」
業は有島の手元を見つめる。
「あー、これ?実験。」
有島は満面の笑みを浮かべる。
「ねぇ業。奏音は僕らの方に来ると思う?」
「……過去の話が解るよって云ったら来ると思いますよ。」
そう云って業は有島と顔を見合わせる。
───さぁ、ショータイムの幕開けだ。
二人は息を揃えてそう云い放った……。
◆◆◆◆
太宰は部下たちを目の前にし腕を組んで話し始める。
「お疲れ。今日でもう終わりだから各自荷物を纏めて帰ってくれて構わない。
明日の朝の集会には遅れない様に。」
太宰の一言で部下たちは解散になる。
「なぁ奏音。少し観光してから帰らねェか?」
中也がこっそりと奏音に耳打ちする。
『観光?!
この辺りにそんな有名な所あった…?』
奏音はそう云って辺り一面を見渡すが、何処も彼処も荒地だらけだ。
「否、少しは移動するが…
そうだな、電車で2,30分走れば綺麗な夜景の見れる場所があるらしい。んで、スイーツも…」
『行く!中也、観光!しよう!』
スイーツの言葉に敏感に反応した奏音は食い気味でそう云う。
中也も食い付いてくると思ったらしく、笑い乍、
解った、解ったって。と返答していた。