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鏡薔薇【文豪ストレイドッグス】

第11章 真実と虚偽の狭間で





「そうだね。まぁ……でも奏音はポートマフィアに居るべきなのかもね。」

そう云って業は寂しそうに呟いた。



『何で、?』


「…………」

業はいざ云うとなると、口を噤んでしまった。




「今鏡。」

中々答えない業に変わって有島が目を伏せ乍答えた。



『その今鏡って何なの?
発動しようとしたら出来るものなの?』


そう奏音が問うと、有島は首を横に振った。


「無理だ。使い方を教えてないから。
その存在に気付いたのは、君がボスと2人で暮らし始めてからだった。

お嬢様の情報を整理してたら出て来たからね。」


『理解不能な能力…
しかも悪魔の申し子の名に匹敵する程の力…』


「そうだ。だから太宰治と一緒に居るのは……
君にとっては安心かもしれない。彼なら…君が暴走しても止めることが出来る。




あと…君は中原中也と太宰治を心から信用してる。昔の……僕らを信じていてくれたみたいに。



今の君に必要なのは悔しいけど、中原中也と太宰治なんだろうね。」


そう云う有島の目には微かに光るものがあった。



「奏音がどうしたいか、が一番だけど…
僕もそう思っちゃったよ……」

業は泪を堪えること無く告げる。



『……私も思ったことはあるわ。
だから、、ポートマフィアに居るわ。


でも、!2人にはまた会いに来る。
大事な……家族、だから。

失ったと思ったけど、失っていなかった家族だから。』



そう云って奏音は笑顔を見せた。



すると、その笑顔を見て業が大泣きを始める。


『か、業、?!何でそんなに泣いて…』





「あぁ……ごめん!ごめんごめんごめん、!!」

業はごめんを連呼するのみで、他の言葉を一切発さない。


理解が追い付いていない奏音は戸惑いを隠せない。




「ふぅ……そろそろ君に本当のことを話そう。」

そう云って有島は奏音の肩を掴んだ。


「話すから、絶対話すから、ポートマフィアに行こう。



それで、太宰治と中原中也のいる所で話そう。」


そう云われるがまま奏音は有島の後ろに着いて行った。



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