第1章 第一章 ①
見習う点がいくつもあると呟いた私に先輩達は口をポカリと開き、徐々に目線を私の顔から下の方へと下げながら恥ずかしげにと口を開けた。
『・・・なんて言うか、その、つばきは結構思ってた事を口にする方なんだね』
『無口なタイプなのかと思ったけど意外だね』
『・・・不快でしたか?』
『いやいや!そうじゃなくって!』
体の前で両手を左右に激しく振りながら慌てた様子の唯先輩と幸子先輩のフォローをする様に貴子先輩は『そんな真剣な顔でストレートに褒められたら誰だって照れちゃうよね』と二人の肩を抱きながら笑った。
二人もはにかみながらこちらを見ていた。
『客観的に見て先輩達の事を言っただけですよ?』
『いやもう分かったから!』
『これ以上ド直球に言われると困るっ!』
唯先輩達は恥ずかしさで頬を赤くしながら私にストップをかけ『仕事するよ!』と少し声を荒らげながら準備に取り掛かった。