第2章 第二章 ②
『お前性格悪いよねぇ、』
『亮さんだっていいリアクションされると構いたくなるでしょう?』
『分からなくはないけど今のはあからさま過ぎて見てるこっちがイラッとした』
『いやー、そんなつもり無かったんですけどねー』
『バカ、嘘つけ。純なんて固まってるし、、・・・唾つけんのもいいけどこっち疎かしたら、』
『分かってますよ。そのつもりはありません』
『・・・ならいいけどね 』
周りの目を惹くつばきはどこに居ても好奇な目で見られるだろう。
部員たちもそうだった様にこれから先部に馴染めばきっと御幸みたいな者が現れてもおかしくない。
野球をするために青道に来ている事に変わりは無いがやはり皆根は男子高校生。どんなに野球に費やしているとは言っても色恋に興味が無い訳では無い。
しかも部に尽くすマネージャーという役職で異性として魅力的な奴が現れた時、意識しない奴の方が少ないんじゃないだろうか。
そう考えた上で御幸は先程から二階の外廊下でチラホラこちらの様子を伺っていた部員を牽制するようにつばきと親しい間柄だと匂わせ、しかも相手側も満更じゃないと思わせる反応をさせたのだ。
つばきが"周りの様子を気にせず"と思っていた事は逆に御幸からしたら"気にしながらやった"ことだった。
性格悪いと言われても仕方がないかもしれない
だが早めの対処に越したことはない。
とりあえず、二階にいたメンツと主力組は察してくれただろうし後は徐々に広まるだろうと御幸は思った。
帰り際、不満そうな顔をしていても耳は真っ赤だった事を思い出しリアクションの可愛さにまたも笑ってしまう。
まだ芽吹いて間もないこの感情がただの独占欲なのか恋によるものなのか御幸自身曖昧でいるが二階で感じたモヤッとする感情は既にどこかへ行っていた。