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サンビタリア

第1章 第一章 ①






今日も朝から練習を見学していると『あの、』と後ろから控えめな声で話しかけられた。


振り返れば髪をハーフアップにした可憐な女子生徒が立っていた。自分の方が身長が高いため若干視線を下げる形になってしまい、『背が高いのね』と少し目を丸くしながら微笑まれた。
相手に『どうされましたか』と返事を返せば『貴方がマネージャー志望の子よね?』と優しげに質問された。



『私はマネージャーで今年三年の藤原貴子って言います よろしくね』


『・・・春から一年の黒瀬つばきです。こちらこそよろしくお願いします』



『つばきちゃんか。あ、急に馴れ馴れしかったかな?、マネージャーの皆は下の名前で呼びあってるの』



『構いません。下の名前で呼ばれる事は少なかったので慣れませんが、私も先輩の事は貴子先輩とお呼び致します』


『うんっ そうして!』




『そんなに畏まらなくていいんだよ』と先程より柔らかくなった先輩の態度にこちらも肩の力を抜いた。
貴子先輩は私に裏の仕事を一緒にしないかと誘いに来たらしく、わざわざこちらまで足を運んできたそうだ。
普通ならこちらから挨拶に行って仕事を貰わなければならない身なのに先輩を動かしてしまった罪悪感が湧きすみませんと謝罪した。
しかし貴子先輩は気にしていなかった様で『そんなの全然大丈夫だよ』と明るく返された。





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