第2章 第二章 ②
伊佐敷の圧のある発言に御幸やつばき、先程から置いてけぼりのマネージャー二人も唖然としてしまっている。
『でも部で恋愛禁止とはなってないよね』
『・・・!!』
『あぁ?!』
『実際彼女いる奴いるじゃん』と沈黙を破つかの如く小湊が伊佐敷の揚げ足を取る。案の定火に油を注いだ小湊に伊佐敷が食って掛かり今まで絡まれていた御幸達は蚊帳の外になってしまった。
『今はそんなの関係ねぇだろ!!』
『いや純がダメだダメだばかりだったから部活的にはダメじゃないって言っておこうかと思って』
『そーいう問題じゃねぇんだよ!!!なんか悔しいだろ!!?俺がいねぇのに後輩が先に出来んの!!』
『男の妬みほど醜いものはないよ』
『・・ッッ!!るっっせぇええええ!!』
『・・・・・。』
・・・一体この人達は何なんだ。
呆れて物も言えないつばきに御幸は『いつもの事だから』と小声で言う。
『・・・大変ですね』
『でも面白いだろ?』
ニシシと横で笑う御幸は楽しげにつばきを見る。
そんな御幸を間近で見てしまいつばきは視線を少し下げ、目を伏せがちに『そうですね』と頷いた。