第2章 第二章 ②
階段を最後まで降りきり食堂へと向かう最中まだ話し込んでいる輪の中の三年生の一人が御幸を見つける。
『おっ!噂をすれば!』
『?』
御幸に気づいた一人、伊佐敷が声を上げると周りにいたメンツも一斉にこちらを振り返ってきた。
俺の話?、なに、、、
状況把握出来ず唖然とする御幸に来い来いと手招きする三年生たち。一体なんだ、とゆっくり足を進めながらチラリと先程まで注目の的だった人物に目をやる。
見れば注目の的だった人物、つばきも御幸を気まずそうな表情で見つめていたためこれはいい話ではないなと確信した。
『どうしたんです?』
『御幸がこの子を呼び出してシメって聞いてさ』
『は?』
何言ってんだこいつとでも言いたそうな顔をした御幸はまたつばきを見た。
つばきも先程まで弁解をしていたが信じて貰えないのでお手上げの意味を込め溜息ながらに首を振った。
『何ですかそれ、するわけないでしょ そんなこと』
『いやお前ならありえなく無いじゃん?』
『しないですって!誰からですかその情報』
噂の当事者二人が違うと言っているからか先輩たちもやっと納得してくれた反面本当だったら面白かったのにと残念がるやつまでいた。