第2章 第二章 ②
練習が終わり夕食の時間が迫る頃、御幸は自室にいた。汗でベタベタになった練習着からラフな部屋着へと着替え、そろそろ出るかなと ドアノブに手をかけた。
外廊下に出るといつもより周りが騒がしく感じる。そしていつもならさっさと食堂に向かう部員たちが立ち止まり一度柵の下を覗き見ては『あれかぁ』『何話してんだろ』などと話していた。
部員たちの行動を不思議に思い皆が見ている先を御幸も同じく除くように見た。
するとそこには三年の主力メンバーとマネージャー達がなにやら話に花を咲かせている。
その中にはつばきの姿もあり、部員たちがソワソワしている理由が分かった気がした。
『先輩たち女子マネ捕まえてる あの二人は一年?』
『一人は黒瀬さんだよな?1 ー Eの』
『お前よく知ってんな めざと過ぎ』
『うっせーな!藤原先輩も隣の子も可愛いけど美人つーの?スタイルもいいし人目を惹くし噂になんねー方がおかしくね?』
案の定、と言うべきか今下を向いている部員たちはマネージャーに興味津々だった。男所帯の寮、学校とは少しが違うからなのか。
しかし、よく出入りしているマネージャー達に慣れているはず。やはり新しく入った一年生、しかも美女がいるとなると気になる存在なのだろうか。
へぇー・・・まぁ確かに見た目は、な
あの容姿じゃ騒がれても仕方ないと思う半面、あまり面白くないとも感じる御幸。
何故面白くないと感じるかなど特に考えること無く、湧き上がって来たモヤつきを振り払うように一階へ繋ぐ階段へと進んで行った。