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サンビタリア

第2章 第二章 ②






マネージャー室を出るとだいぶ日が沈み、雲は優美に漂い朱色から桃色、紫色と夕日が空に溶け込んでいくグラデーションを描いていた。


『忘れ物はないね』と声を掛け、貴子先輩が鍵を閉めた。ちゃんと閉まったことを確認し鍵を返しに管理人室まで行く貴子先輩に私達一年生もついて行くことになっていた。




『唯と幸子はもう帰っていいわよ 後はやっとくから』



『すみません、ありがとうございます』

『二人共 鍵の位置ちゃんと覚えなよ!』


『はいっ』
『分かりました』



お疲れ様でしたと唯先輩と幸子先輩はその場で別れ、私達は管理人室に鍵を返しに向かった。管理人室は青心寮の中にありトレーニング室を横切り中庭を突っ着ればすぐにある。
青心寮の正面門を潜ると部員達がチラホラと見えた。
きっと今から着替え等を済ませ夕食に入るのだろう。
部員達も青心寮に女子がいるのが気になるのかソワソワとした雰囲気が漂っていたがそれを横目に管理人室を目指した。






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鍵を返し終わり『失礼しました』と声をかけた後貴子先輩が私達の方に顔を向けた。



『次からは当番制にするから鍵当番はココに鍵を返しに来てね』




『分かりました』


『鍵当番は1人なんですか、?』


『うん そうよ でも男子ばっかりで門入りずらかったら誰か付き添い付けてもいいから』


『あ、ありがとうございます』



ほぅと胸を撫で下ろす春乃に男子が苦手かと尋ねると春乃は首を振り『そうじゃないのっ!』と焦った様に答えた。



『ただ、ちょっと、まだ怖いと言うか、、』


『・・確かに、皆がたい良いものね』


『あはは!そのうち慣れるから』



私はあまり気にしていなかったが確かに普通に考えると男子の中に一人飛び込むのは少し怖い。春乃の気持ちが分かり同調する私と励ますよう笑う貴子先輩。
わちゃわちゃと三人で喋りながら来た道を戻っていると向かい側から部員達の何人かが食堂に向かって歩いてきていた。



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