第2章 第二章 ②
私も初めて知ったが、そんな事珍しい事では無い。
先輩も先程言っていた様に青道は強豪校の中の一つだ。ファンが居たとて別に驚くことでもない。
そう思いながらカバンのチャックを閉め肩にかけようとした時また幸子先輩が口を開き、その言葉に手が止まった。
『二年生だったら御幸くん一番人気じゃない?教室じゃぼっちだけど顔も良いしファンの人多いかも』
『へぇー そうなんですね』
『・・・』
あえて【ぼっち】には触れず春乃は知らなかったですと言い身支度に戻った。
捕手としては優秀でも内面の方は問題があるのだろうか。
まぁ軽口で腹立たしいのは確かだが、、
私も人の事は言えない立場のはずなのにすっかり棚に上げてしまっている。
でもきっと先程言っていたファンの人達はそんな姿さへ孤高の捕手として美化してしまうのだろう。
彼にファンが居てもおかしいとは思わない。
現に私も彼に魅了された一人なのだ。気にする事なんて全然無い。
なのに何故か、腹なのか胃なのか分からないが体の中心部分が少しモヤっとした。
・・・?、
・・・このモヤツキは何だ、、、?
考え込みそうになった時、『電気切るよー!』といつの間に帰る支度を整えた春乃達に急かされ勘考するのを止めた。
・・きっと私の他にも選手として魅力的な御幸に憧れてる人は何人もいるんだと感じて同属嫌悪をしてしまったのだろう。
だが、それはマネージャーとしてどうなのだと心の中で自身に突っ込みを入れながらみんなの後を追い部屋を後にした。