第2章 第二章 ②
つばきも用具倉庫から出て鍵がちゃんとかかったかチェックし倉庫を離れた。
用具倉庫から出た後、今度は並んで歩く形になり何だかちょっと気恥しく感じ目線を下の方へと泳がせる。
そんなつばきを知ってか知らずか御幸は顔を覗き込みながら不敵な笑みを浮かべた。
『なに?緊張してんの?』
『・・・何を話せばいいか分からないのと、意図がわからないです』
『意図?』
そう、御幸は何故つばきを手伝うと言ったのかつばきには全然理解できなかった。
御幸からしたらこれは朝食に遅れてしまうリスク的デメリットな訳で、メリットのない、何も得られない働きをした御幸の行動が不思議だったのだ。
『あーなるほどね。別に理由はねーよまだやる事あるって言うから手伝っただけで』
『・・・そうですか』
『まぁ?もーちょっと感謝してくれてもいいとは思うけど?』
『先輩は損得で決める人だと思っていました』
『失礼だな おい』
御幸に対し誤解をしていたのかもしれない。
今言った様に御幸は損得で考え、自分にプラスになる事以外動かい人だと思っていた。だが今回の行動を見れば後輩を助けたいい先輩、打算的でなく親切心から動いているという事が分かる。
そう考えたら何だか罪悪感が湧いてきて『すみません』と謝罪の言葉を口にした。
おどけていた手前そんな真剣に謝られるとは思ってなかった御幸は『いやいや!冗談だから!』と少し焦りを滲ませているがつばきは御幸が冗談交じりに言った言葉など聞いておらず、謝罪の言葉は解釈違いで終わった。