第3章 捜査開始!
「煙草吸ってるあなた…何ヶ月も私のことバイト先で見張ってましたよね?!」
次元はのそのそと千代が寝かされていたベッドに近づいてくる。
次元から匂う煙草の香りに、千代はなにか惑わされるかのようだった。
「そうだが……嬢ちゃんは今回のお宝の鍵だからな」
「正しく言うと、おぬしが持っているそのペンダントが鍵になっておる」
侍が次元が発言した言葉を訂正するかのように口を挟む。
「このペンダントは……父の形見なの。もう私には誰もいない……ペンダントだけをお守りにして生きてきたの。あなた、昨日人を撃ってましたよね?そんなあなたたちに使われる私の気持ちはきっとわからないよ」
「……そうだな、俺は嬢ちゃんじゃないし嬢ちゃんは俺じゃない。こんな裏稼業やってる奴に嬢ちゃんの気持ちなんてわからないさ」
陰気になった雰囲気の中、ルパンが次元と千代の前に勢いよく立った。
「しゃきっとなっ!」
「な、なんだよルパン」
「さあて、朝ごはん食べましょ。俺、ルパン三世。黒いのが次元大介。侍が石川五ェ門。君は山田野千代ちゃんね。はい、自己紹介は終わりっ!」
千代はシャワーを浴び、ルパンに渡されたジーンズとワイシャツを身にまとった。
リビングに入ると、テーブルには朝ごはんが用意されている。
「ホットケーキ……おいしそう」
「あら〜、おかえりなさい。朝はご飯派?パン派?それ俺が食べようとしてたんだけど、食べたかったら食べていいよ。また作るしな!」
「今日はよく動くな、ルパン」
「いつもは次元がやっているであろうことを」
席に着いている次元と五ェ門がやけに張り切っているルパンを冷めた目で見つめている。
そんな二人にふてくされたように唇を突き出し細めた目を向けるルパン。