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【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】

第159章 ◇第百五十八話◇運命の日の前夜も貴方を愛する【運命の決戦編】


シガンシナ区決戦を前に、ペトラとオルオは結婚式を挙げた。
両家の親族と親しい友人を招待したアットホームな結婚式は、彼ららしい楽しくて素敵な式だった。
まだ結婚するには早いと反対したというペトラの父親も、彼らの熱意に負けたそうだ。
最後には、号泣しながらオルオと抱き合っていた。
そんな素敵な式から数日後、調査兵団の兵舎にある食堂では、肉の準備が始まっているらしかった。
今日くらいは奮発してもいいだろうというディルクさん達の愛情のようだけれど、シガンシナ区決戦前に肉を巡った戦争が始まるんじゃないかとちょっぴり心配だ。
そんな心配をしつつ、私とリヴァイ兵長は談話室のバルコニーに来ていた。
塀の上に座って、夜空を見上げる。
幾千の星は、今夜も綺麗に輝いている。
調査兵団に入団してから、ここは私の大切な場所になった。
そういえば、最近はリヴァイ兵長と同じ部屋で過ごすことが多くて、来ていなかったけれどー。

「がここにいるのを久しぶりに見たな。」
「ふふ、私も同じことを思っていたところです。」

リヴァイ兵長から紅茶を受け取る。
以前もそうしていたみたいに、リヴァイ兵長は私の隣に立って、塀に背中を預けて夜空を見上げた。
恋焦がれて苦しくなるほどの恋をすることになるなんて知りもしない頃、リヴァイ兵長とよくこうして夜空を見上げていた。
それは、押しつけられた書類仕事の合間の休憩で、私は愚痴ばかり話していて、リヴァイ兵長は面倒くさそうに相談に乗っていたんだっけ。

「調査兵団に入団して、ひとりぼっちで寂しい夜が幾つもありました。」
「そうか。」
「そんなとき、リヴァイ兵長に無理やり仕事を押しつけられて
 本当は凄く助かりました。」
「そうだと思った。」
「思ってないでしょ。」

じとっとした目で見下ろせば、苦笑を隠すようにリヴァイ兵長は口にティーカップを運んだ。
だから、私はクスリと笑う。
あの頃はどんな風に話していたんだっけ。
少しくらいは冗談を言っていたような気もするけれど、こんな風に気を許せる人になるなんて思ってもみなかった。
調査兵団の兵舎の中に、大切な人達が溢れるようになるなんて、思ってもみなかったー。
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