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【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】

第151章 ◇第百五十話◇我らの天使の帰還【女型の巨人編】


あらかたの巨人は精鋭兵が討伐し終えた。
獣の巨人も一度は戦闘不能までリヴァイが追い詰めたが、四足歩行の巨人が現れて中にいた人間を連れ去ってしまった。
これ以上の深追いは危険と判断したエルヴィンにより、リヴァイは壁上に戻る。
所属班の兵士達と共に壁上から眼下の巨人に砲弾を落としていたハンジが、リヴァイに気づいてやってきた。

「お疲れ。大丈夫?」
「何がだ。」

何を心配しているのかわかっていて、リヴァイは気づかないフリをした。

「結婚式、迎えに行くはずだったんだろ。」
「仕方がねぇだろ。巨人は待ってくれねぇんだから。」

言いながら、リヴァイは拳を握りしめた。
眼下では、精鋭兵達が必死に巨人を討伐している。
調査に出た調査兵と駐屯兵の報告で、ウォール・ローゼ内に穴は見つからなかったことが分かっている。
だからきっと、今、バタバタと倒れていっている巨人達は、昨日までは普通に生活していた人間なのだろう。
だからって、巨人になってしまったのならストヘス区にいれるわけにはいかない。
戦わないわけには、行かないのだ。
自分は、兵士なのだからー。

「今から行ったら?まだ間に合うかも…、しれないし?」

自信のない言い方。
ハンジだって、もう分っているはずだ。
もうとっくに結婚式は終わっている時間だ。
間に合わなかったのだ。
どうして、今日だったのだろうと考えずにはいられないが、どっちにしろ、自分は巨人と戦う方を選んだということだ。
迎えに行くと約束した彼女の元ではなくー。

「王都に侵入して奪い返しにでも行くか。」

お決まりの無表情で、リヴァイは自分なりに冗談めかして言いながら、自分の両手を見下ろす。
新兵に仲間のために手を汚す覚悟を持たせ、自らの手も汚した。
後悔はない。
ただ、本当にこの手で、無垢で純粋で、綺麗な笑顔の彼女を抱きしめていいのか。
離れた時間が長すぎたせいなのか、自信がなくなった。

「奪取計画なら私も乗るよ。
 とりあえず今は、巨人の侵入を防ぐのとアニの死守だね。」
「あぁ…、だが、新兵だけで鎧の巨人は荷が重すぎたんじゃねぇか。」
「彼らもきっと頑張ってくれてるとは思うけど、 
 まぁ、そうなればもう仕方がないよ。」

ハンジが頭を掻く。
始めから、アニは諦めるしかないという戦略だった。
何よりも優先すべきは人類の命、存続だった。
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