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【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】

第144章 ◇第百四十三話◇引き裂かれる2人【女型の巨人編】


座学室の黒板を使って、新リヴァイ班の104期新兵達に、今後の予定の説明をしていたリヴァイ兵長が驚いて目を見開いた。
突然やって来て息切れしている私に、エレン達も驚いているようだった。

「どうした、クソでも漏れそうなのか。」

レディに、しかも恋人に何を言うのか。
でも今は、焦って狼狽している私を落ち着かせようとしてくれるリヴァイ兵長の冗談に付き合う余裕はなかった。

「助けてください…っ!」

教壇に立つリヴァイ兵長に駆け寄ると、そのままの勢いで飛びついた。
片眉を上げ、思案するようにしながらも、リヴァイ兵長は私の背中に手をまわして抱きしめ返す。

「どうした。女型を取り戻しに鎧の巨人でも来たか。」
「両親にすべて、バレました…っ。」
「あぁ…、そうか。」

リヴァイ兵長は、あまり驚かなかった。
どちらかというと、ショックとか焦りよりも、ついにその時が来たかと思っているようだった。
むしろ、エレン達の方が、狼狽えて席を立ち、連れ戻されるのではないかと焦っていた。

「ここまで来てんのか。」
「私を連れて帰るって言うのを振り切って、ここまで逃げてきました…っ。」
「分かった。俺が話してくる。」

リヴァイ兵長は、身体を離すと座学室を出て行くために私に背を向けた。
慌ててその手を掴んで引き留める。

「ダメですっ!」

振り返ったリヴァイ兵長に、私は続けた。

「すごく怒ってて、リヴァイ兵長にももう二度と会わせないって…っ。
 話したって、分かってもらえない…っ。」
「だが、逃げ続ける限り、何も始まらねぇ。
 それを、俺達は思い知ったばかりだろう。」
「…っ。」

諭すような瞳に、私は唇を噛む。
その通りだ。
でも、それは、私とリヴァイ兵長が分かり合いたいと思ったから、だからうまくいっただけだ。
私の気持ちなんて分かろうともしない、むしろ、分かりたくもないと思っている両親に何を言ったって無駄だ。
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