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【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】

第144章 ◇第百四十三話◇引き裂かれる2人【女型の巨人編】


3日後、眩しいくらいの綺麗な赤が闇に呑み込まれ始めた頃、私は兵舎の中を転がるように走っていた。
両腕を必死に振り回し、急げ、急げと自分を急かしながら、階段を駆け上がる。
今日は、ラガコ村の調査に向かったハンジさんからの伝達で研究所に籠って、今までの巨人実験についての資料を集めていた。

『あぁ、!この前は大変だったんだからな。
 ご両親に調査兵団に入ってること話してなかったのか?
 一応、俺からは何も話せねぇとは言ったが、あれで納得できるわけねぇぞ。』

偶々研究所に用があってやってきたダイに言われて、私は漸く両親に見られてしまっていたことを思い出した。
それでも私はまだ、両親にどうにかして誤魔化そうと考えていた。
でも、相談できるハンジさんはラガコ村の調査でウォール・ローゼに行っているし、エルヴィン団長は重体でまだ話せるような状態じゃない。
そもそも、エルヴィン団長が話せるまで回復したところで、調査兵団の存続や人類の未来、心身ともに疲れ切った身体でいろんなものを背負っている彼に、私の個人的な相談に乗ってもらうわけにもいかない。
どうしようー。
そう考えているところにー。

『!!やっと見つけたわよ!!』

兵舎まで、両親が来てしまった。
一緒に巨人研究所で資料のまとめをしていた調査兵達が驚くのも無視して、私を怒鳴りつけた両親の話から察するに、たぶん、事情が全部バレてる。
トロスト区への巨人襲来のときに、駐屯兵の勘違いで巨人討伐作戦に強制的に参加させられたところから、全てー。
後ろを振り返る。
追いかけてきていた両親の姿は見えない。
訓練の成果で足が速くなったのかとも思ったけれど、両親がそれだけ歳をとったというだけかもしれない。
とにかく、捕まることなく、なんとか目的の座学室に辿り着いた私は、勢いよく扉を開いた。
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