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【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】

第132章 ◇第百三十一話◇互いの胸の内【女型の巨人編】


「じゃあ、単刀直入に聞くよ。
 君達、うまくいってないよね。」

ハンジの指摘に、リヴァイの片眉がピクリと動いた。
その途端に発せられるピリついた空気は、絶対に認めはしないプライドの高い男よりも饒舌だった。

「あの話をは信じてくれなかったってこと?
 本当のことなのになぁ…。」
「は、いちいち疑うような面倒くせぇ女じゃねぇ。
 どう思ったかは別にして、ちゃんと理解してる。
 ただ、もう信じられなくなっちまったんだろう。」
「リヴァイのことを?」
「あぁ…、それもあるかもしれねぇな。」
「それもって?他に何があるの?
 リヴァイのことじゃなかったら、自分の気持ちが信じられないとか?」

まさかねー、と首をすくめるハンジに、そのまさかだと言ったらどんな顔をするのだろう。
ふと、そんなことを思ったリヴァイだったけれど、それを言葉にするのは恐ろしくて、聞き流した。
でも、実際、は今、自分の気持ちが分からなくなっているのだと思う。
一緒にいても、彼女はどこか遠くにいて、いつも自分に問いている気がする。
本当に隣にいる男を愛しているのか。その男を選んだことに後悔はしていないのか。
まだ、答えは出ていないのだろう。
だから、その答えを急かしたくはない。
せめて、彼女が答えを出してしまうまでは、そばにいたい。

「あのとき、もっとちゃんとエルヴィンを止めればよかったよ。ごめん。」
「お前が謝ることじゃねぇ。俺もの気持ちを置き去りにして、
 何事もなく終わらせようとしたのが悪かった。それにあれは…。」
「あれは?」
「あ?あぁ…、あれはただのきっかけだ。」
「きっかけ?」
「そうだ。だから、お前が気にすることじゃねぇ。
 その前から俺達は、もうダメだった。」

自分で言いながら、それを認めようとしていなかった自分に気が付いた。
いや、今でも認めたくはない。
ただ、事実は事実としてあるのだから、誰かが認めるとか認めないとかいう話ではないのだ。

「もうダメって?ねぇ、どういうー。」
「話は終わりだ。」

リヴァイは立ち上がると、たたんだ長距離索敵陣形の配置図を乱暴に手に取った。
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