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【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】

第122章 ◇第百二十一話◇迷子の天使【女型の巨人編】


簡単に言えば、寝不足だ。
夜中の3時間置きのミルクとオムツ替え。それ以外の時間は、ソファに座って眠るヨシュカの抱っこをし続けた。
リヴァイ兵長も一緒に起きて付き合ってくれたけれど、さすがに、仕事があるので、3時までには寝室に戻ってもらった。
ずっと、気にしなくていいとそばにいようとしてくれたその優しさだけで充分だった。
でもー。

「これ…、1週間続けたら、私、死ぬ…。」

ソファに座り、ミルクを飲んでお腹いっぱいのヨシュカを抱く私から、弱音が漏れる。
たった一日でこんなにボロボロになるなんてー。
母親が、1週間だけでいいから休みが欲しいと、父親の元に我が子を連れて来た理由も分からなくもない。
ヨシュカと一緒に部屋に籠っていると、窓の外の太陽が遠く感じた。
遠い世界を眺めながら、ボーッとしていると扉をノックされた。

「あれ?エルド?今日は朝から旧調査兵団本部でエレンの実験じゃないの?」

扉を開けると、そこにいたのはエルドだった。

「その赤ん坊が、が押しつけられたっていう、どっかの馬の骨のガキ?」

きっとリヴァイ兵長がそんな風に言ったんだろうと分かって、苦笑いで肯定の返事をした。

「コレ、俺の彼女の姉貴が使ってたやつなんだ。
 部屋にいると滅入るってよく言ってたから、の役にも立つと思って
 リヴァイ兵長に午前休もらって、借りてきた。よかったら、使ってくれ。」

そう言って、エルドが見せてくれたのは、乳母車だった。
比較的まだ新しいそれは、赤ちゃんが寝る籠の上に日よけもあって、可愛らしいデザインだった。

「嬉しいっ。本当に借りちゃっていいの?」
「あぁ、もう子供も大きくなって、使ってなかったみたいだし。
 事情説明したら、是非使ってくれってさ。」
「有難う~、助かるよ~。
 赤ちゃん抱っこしながら、干からびていくような気がしてたの~…。」
「なら、よかった。」

エルドは苦笑しつつも、ホッとしたように息を吐いた。
でも、本当に良かった。
これで、部屋に籠らなくてもよくなった。
今から、お散歩開始だー。





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