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【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】

第83章 ◇第八十二話◇魔法の呪文を唱えて【恋の行方編】


「ぃや…、やめて…。」

ふるふると力なく首を横に振る私から、漸く出てきた声は、か弱く震えていて、自分のものではないみたいだった。

「ほら、やめてほしいんだったら早く言いな。
 ちゃんと唱えねぇと俺ら、止まれねぇぜ?」

からかうように言って、金髪の男がドレスの裾をたくし上げて、太ももを撫でた。
思わず足を動かして逃げようとしたのを、もう1人の男にすかさず押さえ込まれる。
腰の上に金髪の男に乗られている上、背中からも拘束され、私の身体は、私の自由には動かせなくなった。

「リヴァイ兵長…っ。」

触れられたくない、怖いー。ついに流れ落ちた涙と共に、声が漏れた。
恐怖に支配される私の心に浮かんだのも、震える弱弱しい声で、助けを求めたのも、リヴァイ兵長だった。
爆弾騒ぎの中、調査兵達が、私が誘拐されたことに気づいてくれているかどうかも分からない。
もし気づいていても、ウォール・ローゼの廃墟の中から私を見つけてくれる可能性なんて、星を掴むくらい難しい。
それでも、ドレスの隙間から入り込んでくる生ぬるい気持ち悪い手の感触や、耳元を舐めるザラザラした舌の感触から必死に逃げながら、私の唇から零れるのは、リヴァイ兵長の名前ばかりだった。

「ぃや…っ。リヴァイ兵長…っ。」
「あ~ぁ、残念。さっきから、全然違ぇよ。
 魔法の呪文はそうじゃねぇだろ?
 そろそろちゃんと呪文を唱えねぇと悪魔がブチギレちまうぜ?」
「リヴァイ兵長…っ、助けて…っ。」

自由に動く首だけを必死に横に振り、私は泣きながらリヴァイ兵長の名前を呼び続けた。
金髪の男の手が私の太ももから、下着の端をとらえた。
思わずビクリと足を揺らし、いつの間にか、私の足を押さえ込んでいた手がなくなっていたこと気づく余裕もなく、必死に抵抗する。

「大好きなリヴァイ兵長は、お前を見つけられねぇ。
 そういう場所をあの人は用意してくれたんだ。可哀想になぁ。
 お前は、助けに来てくれねぇ男の名前を呼んで、俺に抱かれるんだぜ?」

金髪の男は心配を装って言うけれど、瞳は本当に嬉しそうに笑っていた。
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