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【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】

第83章 ◇第八十二話◇魔法の呪文を唱えて【恋の行方編】


無理やり押し倒された私は、冷たい石の床に頭を打って痛みに顔を顰めた。
そんな私の腰の上に馬乗りになったモーリが、気持ち悪い笑みを浮かべて唇を舐めた。
これから、私も少女が味わった地獄をー。
少女がいたぶられる姿を想像してしまったせいかもしれない。
身体が恐怖で硬直した。
暴れることも、悲鳴を上げることも出来ず、私は青い顔で震えていた。

「ちょっと待てよ、その女とお楽しみしていいって許可貰ってんのは俺達なんだよ。
 アンタは爆弾で兵舎ごと兄貴殺しのリヴァイ兵長をぶっ飛ばすって
 約束だったんじゃなかったのかよ。」

金髪の男がモーリの肩を掴んだ。

「あぁ、あれはやめたんだ。爆弾でアイツをバラバラにするのもいいと思ったが、
 一瞬で死んじまうのは許せねぇ。
 アイツには地獄を味合わせねぇと気が済まねぇんだ。」
「知るかよ。とにかく、約束は約束だ。 
 その女とヤるのは俺達だ。」
「お前、俺に逆らう気か。」
「てめぇこそあの人に逆らう気かよ。せっかく地下街から出てきたのに
 もう二度と地下から出てこれねぇぞ。地下の地下に落とされるぜ?」

金髪の男の脅しが聞いたのか、モーリは悔しそうに舌打ちをして私から離れた。
乱暴にソファに座ったモーリと入れ替わりに、金髪の男が私の腰の上に馬乗りになった。
恐怖の対象が変わっただけで、私の扱いは変わらないようだった。
茶髪の男が私の後ろに回る。そして、身体を起こすと、両脇の下から腕を回し入れて私の身体を拘束する。
その隣でもう1人の男が、ニヤニヤと私の顔を見ていた。

「さぁ、俺達と楽しもうか。」

満足気な笑みを浮かべた金髪の男の手が、私の頬を撫でた。

「…っ。」

金髪の男の舌が、私の首筋を舐めあげた。
ザラザラとした気持ちの悪い感触から逃れようと、首を動かす。
悲鳴も上げられないほどの恐怖に、私の身体は小さく震え続けていた。

「ヒントを忘れたか?ほら、俺達に襲われたくなかったら、魔法の呪文を唱えるんだったろ?」

金髪の男が面白がって言いながら、私の頬を撫でた。
そういえば、馬車の中で、そんなことを言われていたのを思い出した。
私は魔法の呪文を知っていると言っていた。
確かに、そんなフレーズを聞いたことがあるけれど、思い出せなかった。
今は恐怖で頭が回らなくて、思い出せそうにない。
ただ、怖くて、怖くて、助けてほしくてー。
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