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【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】

第82章 ◇第八十一話◇目撃者【恋の行方編】


早馬を連れて急いだリヴァイとゲルガーは、兵舎に戻るなりを探した。
だが、が帰ってきたのを見た兵士もいなければ、兵門前で見張りを担当していた調査兵は、パーティーから誰も帰ってきていないと告げた。
ゲルガーとリヴァイから遅れること数分、到着したミケによって兵舎に残っていた調査兵達はすぐに集められ、爆弾犯にが誘拐された可能性が高いことが伝えられた。
驚き騒然とする兵士達は、まずは簡単に捜索組と待機組に分けられ、ハンジが待機組の指揮を執ることにに決まった。
これから、捜索範囲や班編成をミケとハンジが決める。
その指示を待つ間に、私服になっていた兵士達は兵団服に着替えたり、それぞれ準備を始める。

(クソ…ッ。)

精鋭兵と今後の動きを確認し終えたゲルガーは、精鋭フロアの廊下にいた。
悔しさで握った拳で廊下の壁を殴ると、ドンッと大きな音がしたが、兵士達が右へ左へと忙しそうに走り回る慌ただしい廊下ではそれほど響きはしなかった。
ミケから爆弾犯の狙いがである可能性を聞いたのは、爆弾騒ぎが起きた夜の会議の前だった。
それから、自分は会議に参加することもせず、の様子を見ていた。
パーティー会場がパニックに包まれたときだって、だけは視界から消えないように目を凝らしていた。
そのはずだったー。
いきなりしゃがみこんだが視界から消えたわけは、あのときは分からなかったが、恐らく迷子になっていた子供を抱きかかえるためだったのだろう。
それが今さら分かっても、もう遅い。
自分はを見失い、そして、は兵士の格好をした誰かに連れ去られたー。

「どこに連れていきやがった…っ。」

不安と焦り、そこに混じるショックがゲルガーを苦しめていた。
仲間の中に協力者がいるー、そんな想定以上の最悪の事態に頭がおかしくなりそうだった。
ミケは、を連れて行ったのが調査兵とは限らないと言った。
でもどちらにしろ、調査兵団の協力者がいなければ、兵士のフリをしてを攫うことなど出来ない。
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