【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】
第81章 ◇第八十話◇闇に紛れて消える馬車【恋の行方編】
そんな私の頭の中が見えたみたいに、金髪の男は面白そうに口元を歪める。
「その魔法の呪文をお前が唱えられたら、俺達はお前から引く。
そうすりゃ、お前は自由の身だ。
でも、唱えられなけりゃ…バーンッ。」
金髪の男が、ふざけて銃を撃ったフリをした。
それが合図だったみたいに、隣に座る茶髪の男に、口元にハンカチを押し付けられた。
途端に急激な眠気に襲われる。
「せいぜい必死に魔法の呪文を唱えるんだなー。」
意識を失っていく瞳の向こうで、金髪の男が嬉しそうに口の端を上げたのが見えたー。