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【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】

第63章 ◇第六十二話◇夜明け前の事件【恋の行方編】


「私、犯人を見ましたっ!」

ふいに、堂々と天に伸ばされた手と大きな声に、集まっていた調査兵達の視線が集まった。
さっきまでとは違う驚きと混乱が調査兵達を襲い、また一層騒がしくなる。
彼女は、アルミンには見覚えのない兵士だった。
だが、兵団服から調査兵団の兵士であることは分かる。

「本当かっ!?誰を見たんだっ!!教えてくれ!!!」

騒ぎに気づいたらしいモブリットが走ってやってきて、犯人を見たという女兵士に詰め寄った。
彼女は、自分に集まる視線が十分に集まったのを確認した後、もったいつけるようにゆっくりとその名前を告げた。

「私が見たのは、自由の翼とその右下に添えられた小さな自由の翼。
 -親友の勇敢な死を汚したソイツの名前は、・です。」

彼女はモブリットさんの顔を、勝ち誇った瞳で見上げていた。
まるで、とても素晴らしい功績を残した兵士みたいな顔でー。
それには似合わない嫌な笑みで、口元を意地悪く歪めていたー。

「え…。」

モブリットさんの小さな呟きが、アルミンの耳にも届くほど、さっきまで騒がしかった巨人研究所は、いつの間にかシンと静まり返っていた。

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