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【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】

第63章 ◇第六十二話◇夜明け前の事件【恋の行方編】


「おい、ジーニー。それはどういうことだ。
 お前は何を見た。」

どこから現れたのか、リヴァイがやってきて、犯人にの名前を告げた女兵士に言った。
訊ねるというよりも、嘘をつくなーと怒っているみたいだった。
その後ろに立つエルヴィンも、難しい顔をしているけれど、彼女の言葉をまるきり信じているわけではない気がして、アルミンは少し安心した。

「逃げていく背中が見えたんです。
 の調査兵団のマントをハッキリとこの目で見ました!」
「つまり、てめぇはが巨人を殺すところも見てなければ、
 顔を見たわけでもなく、背中だけで犯人扱いをしたってわけか。あぁ?」

リヴァイは、女兵士の胸ぐらを掴み上げた。
それをエルヴィンも止めようとはしないし、集まった他の調査兵達もまさかが被験体を殺すなんて信じられず、彼女の言葉を受け止められずにいるようだった。

「みんな知ってるはずでしょうっ!?が自分の兵団マントに
 ルルの紋章を縫い付けたのを!!私はそれを見たんですっ!!
 あんなおかしな兵団マントをつけてるのなんて、しかいないわ!!」

リヴァイにジーニーと呼ばれたその女兵士が叫んだ。
その途端に、他の調査兵達がザワザワし始める。
あの日、談話室でミカサがの兵団マントにルルの紋章を縫い付けているのを見た調査兵はたくさんいる。
それに、最近、は訓練のときにも兵団マントをつけてくるようになったから、彼女の背中には親友の翼も生えていることをみんなが知っていた。
だから、みんな、本当にが犯人なのではないかと疑い始める。
でも、彼女じゃないー!

「そんなはずないっ!!だって、さんはさっきまでー。」
「おーい、どうしたんだよ。みんな、そんなとこに集まって。」

騒ぎの向こうからジャンの声がした。
もしかしてー。
アルミンは慌てて後ろを振り向く。
まるで、花道でも作るように大勢の調査兵達が左右に別れていく。
そして、調査兵達が作った道の向こうに見えたのはジャンと、その隣にはー。

「ん?」

不思議そうに首を傾げたの髪を、太陽の光がキラキラと輝かせた。
不意に、優しい風が吹く。
彼女が背負う自由の翼が、何かを訴えるように揺れているように見えた。

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