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【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】

第63章 ◇第六十二話◇夜明け前の事件【恋の行方編】


巨人研究所に入ったアルミンは、見知った顔を見つけて駆け寄った。

「エレンっ!何があったの?」

呆然と立ち尽くしていたエレンは、アルミンに声をかけられてビクッと肩を揺らした。

「あ…、なんだ、アルミンか。」
「ねぇ、どうしたの?」
「被験体の巨人が、殺されたー。」

エレンに言われて、研究所の中央で白い蒸気が上がっていることにアルミンもようやく気が付いた。
さっきのモブリットほどではないかもしれないが、アルミンも真っ青な顔をして、人垣を抜けて騒ぎの中心へ走った。

「嘘だ…。」

目の前に見えた光景に、アルミンは絶句した。
エレン達が必死に捕まえた2体の巨人は無残にも殺され、白い蒸気の下で白骨化している。
白骨化した巨人の死体の前で、ハンジは頭を抱えて悲痛な叫び声を上げていた。
あの巨人は、ただの被験体じゃない。
ルルが命を賭して残した未来への希望の材料になるはずだった巨人なのだ。
それなのに、どうしてー。

「ウソだろ…。兵士がやったのか?」

近くで、先輩兵士もまた、アルミンのように絶句した顔で呟いていた。

「あぁ、犯人はまだ見つかってないって。
 夜明け前に2体同時にやられたらしい。
 見張りが気づいた時には立体起動装置で遥か遠くだ。」
「二人以上の計画的作戦ってワケか。
 見ろよ、ハンジ分隊長がご乱心だ。」
「貴重な被験体なのに…、一体どこのバカが…。」
「バカじゃなかったら何なんだろうな…。
 見当もつかんよ。」

調査兵達の戸惑いや困惑、怒りがザワザワした騒ぎの中でアルミンの耳に届く。
本当に信じられない。
一体誰が、何のためにー。

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