• テキストサイズ

【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】

第63章 ◇第六十二話◇夜明け前の事件【恋の行方編】


ついさっきまでは白かった空に少しずつ青色が足されていく。
訓練場を照らし始めた太陽の光が自主練に励んだアルミンの額の汗を輝かせた。

「ふぅ~…。」

額の汗を腕でぬぐって、アルミンは外した立体起動装置を保管庫に片付ける。
自分の体力や筋力が他の調査兵達に劣ることは、調査兵団に入団する前から覚悟していた。
一緒に新兵として入団したエレン達は成績上位の10位以内の新兵ばかりで、そこでもやっぱり差が出ていることも自覚している。
だから、調査兵団に入団してからはこうして朝早くに自主練に励んでいた。
時々、アルミンと同じように朝の自主練をしている調査兵達もいるから、その動きを見て勉強できるのも自主練のメリットだ。
今日は特にレベルの高い自主練を見ることが出来たーとアルミンはとても満足していた。
保管庫を出て兵舎に戻る途中、目の前を1人の調査兵が慌てた様子で走り抜けて行った。
調査兵団が一番小さな兵団だと言っても、それなりに兵士の数は多いから、全員の名前を覚えることは出来ていない。
でも、真っ青な顔で走り抜けて行った調査兵の名前ならば、新兵のアルミンも知っていた。
第四分隊の副隊長のモブリット・バーナー。ハンジの右腕として新兵にも有名で、一緒にいるところをよく見かけていた。

「モブリットさん?」

いつもおっとりした雰囲気のモブリットが慌てている様子は、アルミンにはとても意外だった。
とにかく、何か問題が起きたのは確かなようだ。
気になって、アルミンは彼が走り抜けて行った方へと向かった。
騒ぎの場所に近づくにつれて、調査兵達の数は多くなっていった。
どうやら、巨人研究所で何かあったらしい。
/ 1058ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp