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【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】

第57章 ◇第五十六話◇不穏のはじまり(上)【恋の行方編】


深い藍色のサテン生地に散りばめられたラメが、私が動く度にキラキラと光る。
着替え終わるまで待たされていたハンジさんとエルヴィン団長、モブリットさんは、奥の部屋から私が出てくると、一様に驚きの表情を見せた。

「おーっ!やっぱり、ピッタリだなっ!!」

ハンジさんが嬉しそうにパチパチと手を叩く。
その隣でモブリットさんはホッとしたように胸に手を当てているし、エルヴィン団長は一度頷いた後にデスクへ向かい何かを書きだした。

「あの…、胸元が少し大きくてズレ落ちそうなんですけど。」
「大丈夫、大丈夫っ!それくらいなら、全然オッケーだよっ!」
「…そもそも、なんで私は着替えさせられたんでしょうか?」

何がオーケーなのかもわからず、私は、自分が着ているドレスを見下ろして、訊ねた。
藍色のサテンドレスは、少し胸が空きすぎているのが気になるけれど、身体のシルエットを綺麗に見せてくれる上品なデザインだ。
なぜこんなものが調査兵団団長の執務室兼自室の寝室にあったのだろうか。
手伝ってほしいことがあるー、そう繰り返すハンジさんにエルヴィン団長の執務室兼自室に連れてこられた後、何の説明もないままベッドの上にあるドレスに着替えてくれとだけ言われて奥の寝室に押し込まれた。
意味が分からないまま、言われる通りにドレスに着替えたのはいいものの、この状況を把握したかった。
今、書いたばかりのメモを持って部屋を出て行ったときのエルヴィン団長の顔が、何か良からぬことを考えていそうだったから、とても嫌な予感がするのだ。

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